今年初めて訪れた21店舗のうどん屋さんの中から、印象に残った9店舗を紹介します。
- NADABAN by HAL YAMASHITA(日比谷)
- 楢製麺(南新宿)
- 新堀(代々木)
- 餅うどん 功刀屋(新宿御苑前)
- 嵐(中野)
- 汐満(千駄木)
- 肉汁うどんの南哲(橋本)
- 伊勢うどん 中むら(伊勢市)
- 花山うどん 本店(館林)
NADABAN by HAL YAMASHITA(日比谷)
和食屋さんが手掛ける関西うどんのお店。
冬の野音で冷え切った体に、かすうどんの甘い出汁が沁みわたる……
麺は讃岐的な腰の強さ、出汁は昆布を基調とした優しい味わい。ほんのり香るゆずがアクセントになっています。
甘辛く調理された和牛と浮かび上がった牛脂が出汁の旨味を引き上げていて、†昇天†
いかにもな高級うどん屋さんの佇まいですが、かけうどんが680円とそこまで高くはなく、かつちゃんとした和食屋さんの分店ということもあり、料理としても洗練されているように感じました。かなりオススメ。
楢製麺(南新宿)
麺、出汁、具材へのこだわりが異様に強いお店。見た目はラーメンですが、定義上うどんに区分されます。*1
というのも、中華麺独特の弾力と風味を生む「かんすい」が使われていないため。さらには、うどんの腰にとっても重要な「食塩」すら不使用です。
なので、ここで提供される麺はとても繊細で、提供直後からの麵の食感の変化を楽しむことができます。不思議~
出汁は鶏をベースに昆布。塩が大変美味でした。あとは、竹の子が乗っているのが特徴的。
南新宿、ラーメンの顔したうどんが多い地域…(cf:ラーメン ヤスオのラうどん)こちらは名古屋のさんすけを潮流とした二郎インスパイアですが、、
新堀(代々木)
細身でありながらも讃岐的な麺、その滑らかな食感が特徴的です。
福岡出身の店主が営まれており、福岡県産の小麦を使用していることから「福岡うどん」を名乗っています。讃岐の有名店である日ノ出製麺所も福岡産の小麦(チクゴイズミ)を使用していますが、麺の細さが差別化点でしょう。
かつて、九州で栽培される小麦は軟質な品種が多く、牧の・因幡・資さんに代表されるようなふわふわ、モチモチな食感のうどんが発展したとする説があり、それに対するカウンターカルチャーとして、透明感のありつるつるとした食感が特徴の豊前裏打会が出現、独自のうどん文化圏が醸成されています。
この豊前裏打会も細麺ですが、こちらは製法の違いがあります。新堀が麺の生地を熟成させてから切る讃岐系の製法であるのに対し、豊前裏打会系は切ってから熟成させる中華系の製法で作られ、モチモチ感を落とし喉ごしの良さを強調しています。
豊前裏打会系のうどんは、東京では「大地のうどん(高田馬場)」「萬田次郎(新宿御苑前)」などで食べることができます。
餅うどん 功刀屋(新宿御苑前)
他では食べられないうどん筆頭候補。
麺を圧力釜で茹でており、角のない輪郭なのに芯のコシがすこぶる強いのが特長です。
冷やしで食べたところ、コシが強すぎで食べ疲れる事態が発生… でも面白い食感でオススメです。山芋が合うかも。
新宿御苑前が最近うどん激戦区になっていて、入れ代わり立ち代わりの状況なので、気になるお店があれば早めに食べに行くのが吉…
嵐(中野)
そろそろド王道の讃岐うどんを紹介しとくか…
中野のブロードウェイに至る商店街の中にあって寄りやすい。ブロードウェイの中にも「大門」という評判のうどん屋さんがあるのですが、そちらは5回ほど入店に失敗しており…その度にお世話になっています。
本場の讃岐うどんに遜色ない味!価格は現地には及ばないものの、チェーン店と同程度で嬉しい。
天ぷらは変わり種も充実していて、アジやカンパチなど魚の天ぷらは他ではなかなか見ない。店内で捌いています。
日替わりのランダム性があるのも通いたくなっていいな…
汐満(千駄木)
𝑩𝑬𝑺𝑻 𝑪𝑼𝑹𝑹𝒀 𝑼𝑫𝑶𝑵 𝑬𝑽𝑬𝑹...
肉汁うどんを思わせる腰の強い麺が特徴的。
カレーうどんは麺がカレーとよく絡むように、茹で後の水洗いの工程を省略してモチモチとした食感にするのが一般的ですが、ここのうどんは腰が強いながらもクリーミーなスープとよく絡み、満足度の高い一杯に仕上がっていました。
バーナーで炙ったチーズが香り高くて……優勝!
居酒屋メニューもおいしかったね…
肉汁うどんの南哲(橋本)
おいしい武蔵野うどんを、相模原にも確認…
鰹と昆布をベースに、ネギと豚肉を甘辛く煮込んだ濃いめつけ汁。小麦が良く香り、そのまま食べても美味しいひんやりとした極太麺。そして味変の特製七味と生姜。三位一体とはこれをいいます。
出汁割りも完備で、満点。意外性はないものの、高い水準でまとまっているつけ汁うどんを楽しめます。遠いけど…
伊勢うどん 中むら(伊勢市)
外宮近くに位置する伊勢うどんの老舗。
腰がなくなるまで茹でた極太麺を甘口のたまり醤油に合わせるのが伊勢うどんの特長です。これが卵と非常に合うのですが、中むらの伊勢玉子うどんは玉子が最初から溶かれているのが特徴的。麺とよく絡んで大変美味…
本場の伊勢うどんは東京ではなかなか味わえないので、度々来てしまいます。おかげ横丁内のお店も良いのですが、内宮まで行くのは大変なので、駅の近くで食べられるのは嬉しい。昼のみ営業のお店が多くてもどかしいですが、今度は駅の北側のお店も探索してみたい。
花山うどん 本店(館林)
群馬の名産「ひもかわうどん」の名代。
ご当地うどん界隈で稲庭うどんの「佐藤養助」と双璧をなしてる印象があります。どちらも銀座に出店してるので…
ここの名物は「鬼ひもかわ」と呼ばれる幅広のうどんで、見た目のインパクトはさながら、つるつるとした食感でつけつゆと独特の絡み方をします。ごまだれも当然合うが、醤油つゆも𝓟𝓮𝓻𝓯𝓮𝓬𝓽
これが大正時代から昭和中期にかけて販売されていたの、オーパーツすぎるだろ…
上州舞茸の天ぷら、群馬のうどん屋さんはどこでも置いてて嬉しい。
本店では付設の直売所で、鬼ひもかわの乾麺やつゆを1パックから購入できます。アド!
訪問したうどん屋さんのGoogleマップはこちら(未紹介分含む)↓
https://goo.gl/maps/nd6f6LjPoihnTks99
以前紹介したうどん屋さんはこちら↓
2022年分がないのは、その年にうどん屋さんに行き過ぎてまとめきれなかったからです…
その反省を踏まえて、今年は2回に分けて投稿することにしました。